会長のオススメ_5、解像度を上げる

    馬田隆明著 英治出版 2200円

    新年あけましておめでとうございます。

    今回は自然科学そのものからちょっと外れて、「科学的思考」に役立つ本のお話をします。

    東大の知恵をあなたに

    ご紹介するのは東京大学Foundxディレクター 馬田氏の「解像度を上げる」。

    Foundxは東京大学が運営する起業支援組織です。

    なので本来は起業を志す東京大学の学生、卒業生だけのためのもの。

    それを今回馬田さんは、だれにでもわかりやすい文章で公開してくれています。

    しかも後で述べますが、その英知の一部を無料で見ることもできるんです。

    ところで解像度ってなんなのさ?

    解像度と言っても、カメラのことを書いた本ではありません。

    ここで言う解像度は**「思考の明確さ・ピント」**のこと。

    この解像度が低い=ふわっとしていると・・・

    解決策にたどり着けなかったり

    人に伝わらなかったり

    開発した事業がうまくいかなかったりします。

    だから「起業を目指すのなら解像度を上げよう」っていう内容です。

    起業しない人にも解像度が必要

    「えー でもボク起業するつもりなんかないし・・・」

    っていう人にも解像度は大切です。

    自分が抱えている課題を解決したい 他の人の課題を解決してあげたい

    自分の考えを相手にわかるように伝えたい 面白い人と思われたい

    これすべて、解像度を上げることで解決できるんじゃないですか?

    解像度を上げるポイントはたった4つ

    馬田さんはこの本で、思考の解像度を

    「深さ・広さ・構造・時間」

    という4つの視点に分解し、どう行動したら解像度が上がるのか教えてくれます。

    特に「深さ」については全362ページのうち100ページ余を費やして詳しく解説

    内化(読む・聞く・考える)と外化(書く・話す・発表する)を繰り返すことで、思考の解像度を深めることができると説いてます。

    また広さは「高い視座」「相手の視座」

    構造は「要素を分ける」「つながりを見る」

    時間は「時間の経過による変化を見る」「過去から学ぶ」

    ことであなたの解像度は急上昇⁉

    購入をためらってる人に無料版118枚構成のスライドをご紹介

    「でもな〜 362ページもある本を読み切れるかなー? 細かい字でビッチリなんでしょ?

    新品で買うと2,200円もするし・・・」

    と迷っている方に朗報です。

    なんと無料で公開されている118枚構成の「解像度を上げる」スライドがあるんです。

    ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

    解像度を上げる v2

    といいますか 実はこっちが「本家本元」でして

    2021年に公開されたこの「神スライド」が評判を呼びそれが堂々の書籍化になった、と言うわけ。

    しかも2023年に書籍化にあわせて大幅アップデートまでされているんですよ。

    スライド見てもわからないかも?? と不安な方には馬田さん直々の解説YouTubeまで

    もうほんとにここまでやってくれるのか! と言うくらい親切な馬田さん

    なんとなんと! アップデートされたスライドの解説動画まで用意してくれています。

    これを見ただけで解像度が上がること間違いなし!

    しかーし、さらに上をいきたい方はぜひ書籍を手に取ってみてくださいね。

    ささやかな自慢 「実は私も前からそう思ってました」

    作品の中で、馬田さんは解像度の「深さ・広がり・構造」を、コンピュータのファイル構造でもある、「ディレクトリ(ツリー)構造」で説明しています。

    私が初めて触れた40年前、パソコンはMS-DOSというOSで動いてました。

    「MS-DOSのファイル構造は人間の考え方に似ているな〜」と妙に感心した私はそれ以来、自然とこのツリー構造で書いたり考えたりする癖がつきました。

    以上、ささやかな自慢でしたが・・・

    よく考えたら、コンピューターは昔「人工頭脳」なんて呼び方もされていたので、人間の考え方とそれを模倣してつくったツリー構造が似ているのは当たり前のことですし、今やこの考え方は「ロジックツリー」と呼ばれる論理的思考の代表的なツールとして知られています。