会長のオススメ_9、はずれ者が進化をつくる

    稲垣栄洋 著

    「もしかしてじぶんはへんなんじゃないか?」

    そんな不安を抱えている人に ぜひ読んでほしいのが

    植物学者稲垣栄洋さんのこの本です。

    稲垣さんの本は以前もこのコーナーで紹介したことがありましたね。

    今回はご専門の「雑草」はもちろん 飛べない鳥キウィやミミズなどの動物

    さらには人間 恐竜 さらにさらに 富士山まで取り上げて

    はずれ者=オンリーワンの生物としての有利性を説いてくださっています。

    えーと 私ホントにフツーで オンリーワンのところなんてないんですけど

    そう思っているあなたにも 稲垣先生は答えを用意してくれています

    「ふつう」は人間の脳が作った幻想

    人間の脳はたくさんのことを覚えたり処理したりできない

    だから本来分けられないものに名前をつけ区別をしている

    「ふつう」も本来別々のものの ある一点だけをとらえて作った幻想

    稲垣先生は「世界一ふつうの人って、どんな人ですか。」と私たちに質問を投げかけたうえで 「ふつうなんていうものは、どこを探しても本当はないのです。」 と教えてくれています。

    No.1しか生き残れない生物界の厳しいオキテ

    ここまでさんざんオンリーワンのすすめを説いてきた 稲垣先生ですが ゾウリムシの実験を通して 同じフィールドでは厳しい生存競争があり ナンバーワンしか生き残れない厳しい生物界の掟についても触れています

    生き残りのためのオンリーワン戦略

    だからこそ生物は多様な進化を遂げてさまざまな生活環境に広がって生きているのだそう

    たしかに「オンリーワンになれば常にナンバーワン」というわけです。

    「得意分野で生きていく」というのはそういうことなんですねきっと。

    得意を見つけるために

    稲垣先生は 得意分野を見つけるために 苦手なものを避けるのではなく ちょっと努力して取り組んでみることを勧めています。

    でもこれって 取り組んでみた結果 うまくいかず失敗したり負けたりしたら けっこう嫌ですよね。

    でも 負けるということは次の戦い方を変えるということにつながります。

    実は生物の進化ってそういうことなんだそうです。

    敗者が進化する

    例えば 私たちの遠い祖先は 海に住んでました(海水魚) それが生存競争に負けて 川に逃れ(淡水魚) さらに負けて陸に逃れ(両生類・爬虫類) 陸から樹の上に逃れ(サル) もう一回草原に逃れて 直立歩行の人類になりました。

    稲垣さんはそんな生物の進化を

    「弱いことは成功の条件であるかのようです」

    と表現しています。

    個性は出ちゃうもの

    オンリーワンになるためには個性が必要です。

    自分の個性ってどこにあるのか? そもそも個性があるのかないのかがわからない人もいるでしょう。

    稲垣さんによると個性は作るものでもなく 伸ばすものでもありません 出ちゃうものなんです。

    なんか人とズレてるな〜 はずれてるな〜 と折りに触れ自分で感じたところが個性です。

    そして そのはずれたところを上手に活用することが あなたを進化させるのです。

    ☆ 稲垣さんのお話は YouTubeで観ることも事もできますよこちらがおすすめです

    パンダの衝撃的進化! 38億年の生命史に学ぶ生存戦略|生物学者・稲垣栄洋