電気スチームアイロンの発明者は明確になっていません。今につながる電気スチームアイロンの原型となる製品は、英国のフーバ社が1953年に導入したドリップ式のスチームアイロンです。ドリップ式というのは水滴を高温のベース盤に滴下させて瞬時に蒸気をつくりだす方式です。それまで主流だったボイラー式は内部の水を加熱させて蒸気を出す方式でしたが、スチームとドライの切り換えに手間がかかるのが欠点でした。
ところがこのドリップ式の原理をつかったアイロンをフーバー社より38年も前に発明している人がいるのです。その人の名はSHINTARO KAKO。どうやら米国在住の日本人だったようで、特許の立会人の署名にはSIZUTARA KAMIGASHIRA、FRANK SATARO KODAMAという2名の日本人と思われる名前も記載されています。特許は3年後に改善を加えて更新されているようですが、商品化に至ったかどうかは不明です。けれど、もしこれが本当なら、もっと評価されてもいい事実かもしれません。
現在は水量が多く蒸気が途切れないという点で、家庭用ボイラー式にも一定のニーズがありますが、重くてゴツいプロ用のアイロンは同じボイラー式でも、タンクが外付けだったり、蒸気専用のボイラー装置を使うため、蒸気量がハンパではありません。そのため蒸気の吹き出し口にカルキが付くのを防止するため、精製水(純水)の使用が推奨されているようです。ミカド電装商事には以前、バッテリー用の精製水をよく買いに来るおじいちゃんがいて、聞けば近所のクリーニング屋さんとのこと。この記事がきっかけで、ふらりとやって来て精製水を買っていくそのおじいちゃんのことが編集部では話題になりました。
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